DM(ダイレクトメール)とは?メリット・デメリットや作成する際に注意すべき4つのポイント
今までの記事ではDM(ダイレクトメール)に関する知識や情報、仕組み等(バリアブル印刷とは…?効果的なオファーとは等)をご紹介してきましたが、本編ではダイレクトマーケティングの施策であるDM(ダイレクトメール)の基礎知識や作成時のコツ、注意点についてご紹介します。
皆様のダイレクトメール施策に活用できることを前提に様々な点において記載していきます。
目次[非表示]
- 1.DM(ダイレクトメール)の基礎知識
- 2.発送型のDMの4つのメリット
- 2.1.顧客に直接届けることができる
- 2.2.顧客によって伝える情報を変えられる
- 2.3.効果測定ができる
- 2.4.Webではリーチできない層にアプローチリーチできる
- 3.発送型のDMの3つのデメリット
- 3.1.時間とコストがかかる
- 3.2.顧客情報を収集する必要がある
- 3.3.開封されない可能性もある
- 4.効果的なDMを作成するコツ
- 4.1.ターゲットを絞る
- 4.2.顧客に響くストーリーを作る
- 4.3.お得情報を入れる
- 5.DMを発送する際に注意すべき4つのポイント
- 5.1.送付タイミング
- 5.2.キャッチコピーやデザイン
- 5.3.著作権と肖像権に注意
- 5.4.個人情報の扱い
- 6.DM施策を行うことで重要なこと
DM(ダイレクトメール)の基礎知識
DMとは?
普段一般生活を送る上で仕事や私生活に関わらずDM(ダイレクトメール)いう言葉はよく耳にする機会が多いかと思います。そもそもDM(ダイレクトメール)とは何を指す言葉なのでしょうか?DMは顧客情報をもとに商品やサービスの情報を送信するマーケティング方法です。大きく分けて、はがき等の印刷物の郵送・発送、電子メールの配信、FAXの送信の3種類があります。(印刷物にはポストカード、チラシ、封書、カタログなどさまざまなものがあります。)
特に発送による印刷物のDMは昔から行われてきた手法ですが顧客にダイレクトに情報送信をする方法としては今でも根強い人気があります。尚、現在は様々な民間企業でDMの送付サービスを行っておりますが、信書の取り扱いは郵便局の郵便でのみ送付できます。※TwitterなどSNSのDMはダイレクトメッセージの略称で、ダイレクトメールとは厳密には異なります。
DMの効果
DMは、Eメールと比べて開封率と反応率が高いのが特徴です。一般社団法人日本ダイレクトメール協会の調査では、購入もしくは利用経験がある企業・団体からのDMの開封・閲読率は93%と高い数字が出ています。購入・利用経験がない企業・団体でも「クーポンのプレゼント」が53%、「特売・セール・キャンペーンの案内」が51%と、いずれも半数を超えています。
また、自分宛のDMの場合は開封・閲読率は79.5%で、そのうちの21%が「ネットで調べる」「店舗に出向く」といった行動に出るという結果が出ています。
【出典】一般社団法人 日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2021」
発送型のDMの4つのメリット
DMには多くのメリットがありますが、代表的なのは以下の4つです。
- 顧客に直接アピールできる
- 顧客ごとに適切な情報を伝えられる
- 反応率など効果測定しやすい
- Webマーケティングではリーチできない層にもアプローチできる
DMは幅広い層に直接アピールできるのが大きなメリットです。顧客ごとに伝えたい情報を変えたり、効果測定により次の施策に活かしたりもできます。
DMのメリットについて、詳しくみてみましょう。
顧客に直接届けることができる
DMは情報を伝えたい顧客に向けて、直接アピールできるのがメリットです。ターゲットを絞ることでピンポイントな訴求ができます。情報が形として手元に残るため、後日の問い合わせや購入・利用につながりやすいというメリットもあります。
DMは顧客が実際に手に取るため、ユニークな形状やインパクトの高いデザインにして視覚的な訴求が可能です。写真やデザインを工夫することで、商品やサービスのイメージが伝わりやすいという特徴もあります。
テレビやインターネットなど特定の媒体を通じて情報発信をする広告の場合、媒体を見ない層にはアピールできません。しかしDMであれば、それらの層にも直接情報を届けることが可能です。
顧客によって伝える情報を変えられる
DMはターゲットを絞ることで、ターゲットごとに伝える情報を変えられるのも優れたポイントです。
新規顧客と既存顧客では伝えるべき内容、アピールポイントが異なります。新規顧客であれば新商品・サービスの紹介やキャンペーンのお知らせを、既存顧客であれば割引チケットや再来店の特典を送るというように、DMの内容を変えられます。
案内できる情報量も多く、商品やサービスの説明を入れやすいのもメリットです。また、商品やサービスのアピールだけでなく、企業のコンセプトやブランドイメージなどを伝えることもできます。顧客に共通のイメージを広める企業ブランディングの役割を果たすでしょう。
関連記事:バリアブル印刷とは?活用事例やメリット・仕組みを解説
効果測定ができる
DMは効果測定により検証・改善を重ね、より効果を高められるのもメリットです。効果測定の指標には反応率やCVR(コンバージョン率)、CPR(レスポンス1件あたりの獲得単価)など複数あり、データを次回以降の施策に活かせます。
例えば、クーポンや割引チケットなどの回収で反応率を測定したり、QRコードを設置してアクセスデータを計測したりすることも可能です。収集したデータは、DM施策の改善に活かすだけでなく、その他の販売や集客に向けた戦略にも活かせるでしょう。
Webではリーチできない層にアプローチリーチできる
DMはWebマーケティングでリーチできない層にもアプローチできます。インターネットが普及した現代はWebマーケティングが広く活用されていますが、その対象はパソコンやスマホなど端末を持つインターネット利用者に限定されます。インターネットに慣れないシニア層やインターネットを使わない業務などには訴求できません。
しかし、DMであればこれらの層を含め、より幅広い層をターゲットにできるのがメリットです。
また、Webマーケティングは不特定多数に向けたアプローチであるのに対し、DMは宛名付きで直接届けられるため、自分だけの特別感も感じられます。さらに情報はターゲットの属性に合わせて最適化できるため、開封率や行動を促す確率も高くなるでしょう。
発送型のDMの3つのデメリット
メリットの多いDMですが、デメリットな側面もあります。DMの作成や発送作業などに手間やコストがかかり、郵送料も必要になるのが大きなデメリットといえるでしょう。
顧客情報の収集にも手間がかかります。また、時間とコストをかけてDMを送っても、開封されず捨てられてしまう可能性もあります。
DMの施策を実施する際は、このようなデメリットも把握しておきましょう。
時間とコストがかかる
DMは創意工夫を凝らせるといったメリットがあるものの、そのための手間やコストがかかります。ターゲットの選定や原稿の作成・確認などを行うほか、封入・封緘や発送作業も必要です。十分な企画と準備作業を行わないままDM施策を実施しても、十分な効果は得られないでしょう。
企画から発送まで時間が必要になるため、スピーディな対応が要求される業種には向かないでしょう。
顧客情報を収集する必要がある
DMを送るためには名前や住所、メールアドレスなどの顧客情報が必要であり、これらを集めるのも手間がかかります。
情報収集の方法には会員登録やアンケートの実施などがありますが、いずれの場合にもDMを送ることに顧客の同意を得なければなりません。また、住所データは最新でないと届かない可能性があるため、定期的な更新作業が必要です。
なお、収集した顧客情報は個人情報であり、取り扱いに注意して管理しなければなりません。
開封されない可能性もある
DMは興味を持たれなければ開封してもらえず、そのまま破棄される可能性があります。DMは読んでもらうことで初めて効果を発揮するため、開封されなければまったく無駄になってしまうでしょう。そのようなことにならないよう、開封してもらうための工夫が欠かせません。
割引券など特典を入れる、思わず開封したくなるデザインにするなど、創意工夫が必要です。また、DMの最終目的はただ読んでもらうだけでなく、問い合わせや来店、購入などのアクションを起こしてもらうということも忘れないようにしましょう。
効果的なDMを作成するコツ
ターゲットを絞る
DMを送付する上で重要なことはDMの目的を整理し、ターゲットを絞り込むことです。
1通の価格の安さにばかり目がいき、大量に不特定多数にDMを送る「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」方式のDMプロモーションを行っている企業様が多数いますが、こちらはDMを行う上で最もやってはいけないことです。
DMを送付する上でまずやらなければならないことは対象となるターゲットを明確にすることです。例えば事例としてあなたは杏仁豆腐の原材料を販売する商社の従業員とします。自社の杏仁豆腐の原材料を取り扱ってくれる飲食店の新規開拓を行う為に飲食店にDMを送付することになりました。その場合、全ての飲食店に送るべきでしょうか。
答えは「杏仁豆腐の原材料を取り扱ってくれる飲食店」にのみ送付することです。中華料理店や杏仁豆腐等のスイーツを提供しているカフェ、もっというならば競合会社の材料を仕入れている飲食店や開店間もない中華料理店等、、、、本当にあなたの商品のユーザーになってくる企業はどこでしょうか。
このように本当に自社のターゲットになる企業をセグメントすることが非常に重要です。 ターゲットが決まればそのターゲットの課題(何を欲しいか?何に悩んでいるか?)を想定し、そこに自社の商品やサービスをどう伝えると効果的か考えましょう。
多くのチェーン店をかかえる中華料理屋は価格、高級中華料理屋は品質、スイーツを扱うカフェはアフターフォロー等、各ターゲットにより“ささる”ものが違うのでターゲット毎に自社のどの強みが受け入れられるかを考え、「送りわけ」をすることが非常に重要です。
またターゲットには自社の顧客リストだけでは十分でない場合、外部の専門会社の顧客リストも使用するようにしましょう。
顧客に響くストーリーを作る
ターゲットが決まれば次はどうやって自社のサービスや強みを伝えるか?コンテンツを作る際は顧客に響くストーリーを作ることを心掛けましょう。ストーリーを設計する際には以下の4つの壁を払拭することが大事です。
① 無関心:自分には関係がないと思われている状態
② 無知:商品の内容がよくわからないので、問い合わせるまでにいたらない状況
③ 不安:会社や商品の詳細、問い合わせ後のイメージがはっきりせず不安を感じている状況
④ 不急:今すぐやる必要性を感じない状態
コンテンツを作る際は顧客(相手)に響くストーリーを作り、またストーリーを設計する際には4つの壁を払拭しましょう。
また実際にコンテンツが完成したら、机上の空論ではなく、A/Bテストを行い勝ちパターンを見つけましょう。タイプの違うDM原稿を複数作成し、宛先を分けて発送し、効果測定を行い、自社にとって効果の高いDMの見せ方を導き出し、繰り返すことで精度を高めていきましょう。
お得情報を入れる
DMの開封率は、お得情報を入れることも大きく影響します。お得情報とは、具体的に割引券や来店の際にプレゼントを受け取れるチケット、期間限定セールの招待券などがあげられます。
封書やハガキの目につきやすい場所に、「割引券在中」「セールの詳細はこちら」などターゲットに向けた特典情報を記載すると効果が高まります。
これらお得情報はDMを受け取った人だけが得られるオファー(特典)として、特別感のあるものとなるでしょう。
DMを発送する際に注意すべき4つのポイント
送付タイミング
送付タイミングも、DMの効果を高めるポイントです。顧客の状況を想像し、どの時期が商品やサービスの購入・利用に結びつきやすいかを考えて発送時期を決定しましょう。特に効果が上がりやすいのは、買い替えをする季節の変わり目や新生活が始まる前です。
例えば、夏向けの商品を宣伝する場合は、梅雨の時期など本格的な夏に入る前が送付のタイミングとなります。また、新生活向けの家電製品であれば、新年度・新学期を迎える時期より少し前に送るとよいでしょう。
なお、企業に送る場合、月初や月末など忙しい時期は避けた方が無難です。個人の場合は、比較的ゆっくり読める週末に届くようにするとより効果的でしょう。
発送のタイミングが決まったら、DMの準備はスケジュールに余裕をもって行うことをおすすめします。DMの発送は納期により料金が変動する場合が多く、納期を早めると料金は高くなってしまうためです。
キャッチコピーやデザイン
開封率を高めるには、顧客が開封したくなるようなキャッチコピーやデザインにする工夫が必要です。キャッチコピーには、「顧客満足度1位!」「リピート率〇%突破!」など、具体的な数字やインパクトの高い文章にすることで顧客の興味を惹くことができます。
デザインは、視線の動きを意識したレイアウトにすることがポイントです。人の視線は、左上からZの形に動かしながら右下まで進める傾向があります。そのため、まず先に目がいく左上には最も伝えたい情報を配置するとよいでしょう。
また、カラーに季節感を出すのもおすすめです。季節感のあるDMは開封されやすい傾向があり、春なら桜をイメージするピンクなど季節に合う配色にすることで開封率を上げることが可能です。
著作権と肖像権に注意
DMを作成する際は、著作権と肖像権に注意しましょう。著作権とは、自分の考えや気持ちを作品として表現した「著作物」を創作した著作者が持つ権利です。
他人の著作物を無断で使用した場合、著作権法違反になります。著作者に許可を取るか、オリジナルの文章を作成しなければなりません。
肖像権とは、自分の顔や姿を無断で撮影・公表などをされない権利です。本人の許可なく写真を掲載することは肖像権の侵害となります。DMに人物写真を掲載する場合は、必ずその人の許可を取るようにしましょう。
個人情報の扱い
DM発送では、個人情報の扱いに注意しなければなりません。DM発送で個人情報となるのは氏名・住所・生年月日のほか、性別や電話番号、会員番号・会員ID、メールアドレスも該当します。また、過去の購買情報も個人情報です。会員番号やメールアドレス、購買情報などはそれ自体では個人を特定するものではありませんが、ほかの情報と紐付けて個人の特定が可能です。
これら個人情報を本人の望まない形式で使用すると、個人情報保護法違反になります。あらかじめDM送付に使用してよいか、許可を得なければなりません。
DM施策を行うことで重要なこと
ダイレクトマーケティングにおいてDMは非常に有効な施策となります。ただその有効な施策も1.ターゲットの選定、2.ストーリーを意識したコンテンツ、3.閲覧、開封したくなる工夫をする、4.発送のタイミングを考える。以上の点に気をつけなければ折角、販促コストを投じて実施したのにレスポンス(反響率)が非常に低い、費用対効果の悪いダイレクトマーケティング施策となってしまいます。ただ上記の点に気をつけて実施すれば、インターネット広告では訴求できない層からも反応がでる非常に有効な販促施策となります。
(株式会社ネクスウェイでは専任の経験豊かなコンシェルジュがお客様のDMプロモーションを効果的な施策になるようにご支援させていただいております。何かお困りごとがございましたら下記より、お問い合わせください。)