圧着はがきとは?仕組みやメリット・注意点・圧着封筒ついても解説
皆様のもとに家庭、職場問わず、様々なDM(ダイレクトメール)が届いているかと思いますが、今回はそのDM中でも圧着はがきについて紹介いたします。
(家庭では請求書、職場では販促物として圧着はがきが届くことが多いのではないでしょうか)
目次[非表示]
- 1.圧着はがきの基礎知識
- 1.1.圧着はがきとは?
- 1.2.圧着はがきの仕組みと特性
- 2.圧着封筒とは?
- 3.圧着はがきがDMに向いている理由
- 3.1.情報量が多い
- 3.2.送付料金が安い
- 3.3.情報セキュリティにすぐれている
- 3.4.高い開封率が期待できる
- 3.5.反響に繋がりやすい
- 4.圧着はがきをDMに使用する際の注意点
- 4.1.郵便法の規定により想定以上の料金がかかる場合がある
- 4.2.長期保管は適さない
- 4.3.水分と高温多湿の環境に弱い
- 5.圧着はがきでDMを制作するときのポイント
- 6.圧着はがきの分類
- 6.1.接着方式
- 6.2.用紙の折り方・サイズ
- 7.返信率をアップする圧着DMの形状例やデザイン例
- 7.1.特大型圧着DMの形状とデザイン
- 7.2.型抜き圧着DMの形状とデザイン
- 7.3.ポップアップ圧着DMの形状とデザイン
- 8.圧着はがきの郵便料金
- 8.1.郵便局の割引利用でコスト削減も可能
- 8.2.“ふち糊圧着はがき”は第一種郵便物扱い
- 8.3.はがき本体の「郵便はがき(POSTCARD)」表記について
- 8.4.第二種郵便物として送れる圧着はがきの種類
- 9.圧着はがきの利用について
- 10.FAQ
- 10.1.Q. 圧着はがきってなに?
- 10.2.Q. 圧着はがきのメリットは?
圧着はがきの基礎知識
DM(ダイレクトメール)の形状は多種多様ですが、その中でも現在、利用されるシーンが増えている「圧着はがき」について今日は説明したいと思います。
圧着はがきとは?
郵送DM(ダイレクトメール)にははがき(定型はがき、A4はがき等)や封書(定型封筒、OPP封筒)等の各種ありますが、はがきの1種として二つ以上に折り畳まれ、接着面を開封すると中面を見ることができるはがきに圧着はがきがあります。一般的な用途として記載内容を受取人にしか開示したくない場合や公共料金の請求書などに用いられることが多いです。
また「隠ぺいはがき」と呼ばれることもあります。
圧着はがきの仕組みと特性
圧着はがきは、感圧糊と呼ばれる接着剤や特殊フィルム、UVニスなどを利用して圧着加工を施して、はがきの面同士を密着させて作成しております。一度剥がすと二度と貼り合わせることができない特性を持ちます。その特性を活かして個人情報やプライバシーに関する内容が外部に漏れないよう配慮する目的で使用されることや特定の会員に対するキャンペーンの宣伝・告知などに用いられることもあります。
圧着封筒とは?
圧着面がある郵送物には、圧着はがきだけではなく圧着封筒もあります。圧着封筒とは、一枚の用紙を折りたたみ、折り目ではない部分を圧着したもののことです。
折り目以外の3辺を圧着して、簡単に開けられるようにミシン目を入れたものと、余った部分をフタのようにして圧着したものがあります。一般的には、折り目以外の3辺を圧着したものが多いです。
ミシン目入りの圧着封筒は開けやすさがありつつも、情報セキュリティがしっかりとしている印象を持たれやすいため、請求書や給与明細などを送る場合によく使われています。
圧着はがきがDMに向いている理由
圧着はがきには通常の定型はがきやA4はがきにはない様々なメリットがございます。
情報量が多い
圧着はがきは通常のはがきと比べて掲載できる情報量が多いです。
通常のはがき:表面は宛先を記載するため、情報を掲載できるのは表面の一部分と裏面のみ
圧着はがき(二つ折りの場合):表面の一部分以外に加え、裏面と中2面の計3面に情報を掲載できます。さらに三つ折りになると掲載できる情報ももっと増えます。
送付料金が安い
情報量が通常のはがきより倍以上、多く記載できるのに郵便料金は通常のはがきと同額となります。
補足:通常はがきと同様のサイズで6g以内であれば、第二種郵便物として、通常はがきと同じ料金で郵送できます。(認められるサイズは縦140~154mm、横90~107mmの長方形)
また、まとめて送る場合には「広告郵便物」として割引料金が適応されるケースもあります。
尚、こちらは郵便法で厳格に規定されています。
情報セキュリティにすぐれている
圧着はがきは、送り先に届けるまでに情報が盗まれにくいという点もメリットです。通常のハガキであれば、どのような内容が書かれているのかが誰から見てもすべてわかってしまいます。
通常のはがきは郵送中に誰かに見られてしまう可能性があるため、個人情報や契約内容などの機密性の高い情報は送りにくいでしょう。また、送った場合には送り先の相手が情報管理について不安になってしまうかもしれません。
圧着はがきの場合には、重要な情報が載っている面を圧着しておくことで、受け取った相手が開けるまでは見られない状態です。そのため、送り先のプライバシーを守りつつ、伝えたい情報をしっかりと伝えられます。
高い開封率が期待できる
高い開封率が期待できることも、圧着はがきがDMに向いている理由だといえます。DMなどの広告は、情報を届けたい相手に読んでもらえるかどうかが重要です。
通常のはがきのDMでは一目見ただけで捨てられてしまったり、封書タイプのDMであれば開けるという作業が煩わしいとして見てもらえなかったりする可能性があります。その点圧着はがきのDMであれば、ハサミなどを用意せずにすぐ読めるため手軽に確認が可能です。
手軽さでいうと、通常のはがきも確認しやすくてDMの内容を読んでもらえる可能性が高いといわれています。しかし、圧着はがきの場合には、隠されている情報を見てみたいという心理に繋がるという点もメリットです。これにより、ほかのDMと比べて高い開封率が期待できるといわれています。
開封率の具体的なデータは以下をご覧ください。
反響に繋がりやすい
反響に繋がりやすい点も、圧着はがきをDMに使用するメリットのひとつです。圧着はがきは通常のはがきよりも印刷面が大きいため、デザイン面での自由度が増します。読み手側の視線を誘導しやすいようなデザインを考えるなど、反響に繋がるような書き方のアイデアを実行しやすいでしょう。
複数の圧着面があるような圧着はがきをDMに使用する場合には、数字を使ってどの面から読み進めていけばいいのかを理解しやすいようにします。送付側のねらい通りに読んでもらえることで、読んだ後のアクションを誘導しやすくなるでしょう。
圧着はがきをDMに使用する際の注意点
このように、DMに圧着はがきを使うことにはさまざまなメリットがあります。しかし、注意点もあるため、両面を理解してDMに使用するかどうか判断すると良いでしょう。
圧着はがきをDMに使用する際の注意点は、以下のとおりです。
- 郵便法の規定により想定以上の料金がかかる場合がある
- 長期保管は適さない
- 水分と高温多湿の環境に弱い
それぞれ詳しくチェックしていきましょう。
郵便法の規定により想定以上の料金がかかる場合がある
圧着はがきのDMの郵便料金は、基本的には通常のはがきと同額です。しかし、郵便法の規定によって、想定以上の料金がかかる場合があることに注意しましょう。
圧着はがきは紙を多く使います。使用する紙質やインク量などによっては重量を超過してしまい、第二種郵便物であるはがきとして認められないケースがあるのです。第二種郵便物として認められるためには、表記や加工にも細かい規定があります。
長期保管は適さない
圧着はがきをDMに使用するならば、長期保管は適さないことにも注意が必要です。圧着はがきの圧着面は時間が経つと劣化してしまうため、特徴を理解したうえで使うようにしましょう。印刷費削減のため、まとめ刷りするという手法は圧着はがきには適さないことに注意して、必要に応じて印刷するようにしましょう。
水分と高温多湿の環境に弱い
圧着はがきをDMに使用する際は、水分や高温多湿の環境にも注意しましょう。圧着面が水を含んでしまうと、圧着するためのノリがはがれることがあります。また、圧着はがきのニスが固まってしまって開封の際に破れるケースもあるため、圧着はがきの取り扱いには注意が必要です。
このようにデリケートなもののため、圧着はがきをDMとして使う際には取り扱いに気を付けましょう。
圧着はがきでDMを制作するときのポイント
圧着はがきでDMを発送したい場合、自社で作成するには手間がかかりすぎるので、制作豊富な業者(発送代行)に依頼したり、専用のツールを利用したりして送付することが望ましいです。
業者や専用ツールを利用すると6gという重量制限に合わせた圧着はがきが制作できることは勿論、企画から制作、印刷、発送まで全て行ってくれる会社もございます。
また郵便法や重さの条件、信書…等、DM送付には気をつける注意点があるのですが、そういう点も自社で送る場合は見逃しがちになってしまいます。また一般的に圧着はがきは、通常のはがきよりも作成に時間がかかり、プラス2~3営業日ほど必要になる場合が多いです。
※弊社では入稿~発送(印刷、宛名面の印字、発送等)の全ての工程をノンストップで発送するDM発送ツール「NEXLINK オンデマンド便サービス」を提供しております。またツールの提供だけではなく、専門のコンシェルジュが原稿制作や宛名リストの提案、納期調整等、お客様のDM施策が最適な施策になるようにサポート対応しております。
圧着はがきの分類
今までは圧着はがきとその他のはがき、封書との違いを説明してまいりましたが、次からは圧着はがきのなかでの違いを説明してまいります。
接着方式
圧着はがきの接着方式は大きく4つに別れています。
①先糊(さきのり)圧着方式:特殊な糊である感圧糊の塗布された用紙に印刷後に圧着する方式です。メールシーラー等はこちらに含まれます。
②後糊(あとのり)圧着方式:通常の用紙に印刷した後に感圧糊を塗布して圧着する方式です。
③フィルム圧着方式:通常の用紙に印刷後、接着面に特殊フィルムを挟んで熱を与えながら圧着(熱圧着)加工する方式です。
④UVニス圧着方式:通常の用紙に印刷後、接着面にUVニスを塗布して熱を与えながら圧着加工する方式です。
各圧着方式は下記の通りとなります。
<先糊圧着方式と後糊圧着方式の特徴>
・光沢はないが、接着力が強い。
・ 請求書や通知書など秘匿性の高いものに用いられる。
・ 先糊圧着方式の場合は印刷領域に制限があるが、後糊圧着方式は制限がない。
・消費期限がある。
<フィルム圧着方式とUVニス圧着方式の特徴>
・光沢はあるが、接着力が弱い
・画像が色鮮やかになるため、DMに用いられやすい
・フィルム圧着方式のほうが高コストとなる傾向にある
用紙の折り方・サイズ
V型、Z型、L型と呼ばれる種類の折り方が一般的です。
①V型:二つ折りの定番タイプで、片面を剥がすことで中面が現れます。
②Z型:表面も裏面も圧着されており、中面が多く広い紙面に情報を掲載できます。
③L型:一枚剥がした後に、さらにもう一枚剥がす観音開きタイプで、返信用はがきを同封する場合などに用いられます。(C型と呼ぶ場合もある)
④往復8面展開型:もともとは二つ折りの形をしていて、2面ともにある圧着面をそれぞれ外して8面を展開させるタイプです。開いたときに上から見ると+のような形になっています。
⑤往復冊子型:ページがわかれていて、まるで本や冊子のように読み進めていけるタイプです。通販のDMによく使われている折り方で、ストーリー性のあるものや複数の商品を案内するときなどにおすすめします。
はがきのサイズは通常の定形はがきサイズから、A4サイズなど大判なものまで多種多様なものがございます。請求書等で利用する場合は定形はがきサイズ、販促DMとして利用する場合はA4サイズが使用される場合が多いです。尚、紙の厚さは重さを6g以内で収める為に90kg(こちらのkgは重さのkgではなく、厚さを表す単位となります)の紙を使用するのが一般的となります。
形状・サイズを選ぶだけ!圧着はがきで効率よくDMが発送できるツールとは? >
返信率をアップする圧着DMの形状例やデザイン例
顧客からの返信率や問い合わせ数などをアップさせるために、圧着DMの形状例やデザイン例をチェックしていきましょう。
特大型圧着DMの形状とデザイン
特大型圧着DMの大きさは、もともと圧着してある状態ではA4を横向きにしたサイズとそれほど変わらないくらいのサイズ感です。しかし、これをすべて広げると新聞紙の両面に近いくらいの大きさまで広がります。とても大きく印刷面を取れるため、さまざまなデザインが考えられるでしょう。
特大型圧着DMは圧着してある状態だと下辺部分が圧着されているため、上下を逆さにしたうえで広げて、さらに横に広げるという形状です。あまり見かけない形状ですが、想定以上の大きさになることで読み手にインパクトを与えられます。
型抜き圧着DMの形状とデザイン
型抜き圧着DMの形状は、通常の郵便物に多い長方形の形ではありません。丸型にしたり、イラストにあわせて切り取った特殊な形にしたりなど、型抜き圧着DMの形状やデザインは自由度が高いです。
たとえば、飲食店であればビールのイラストのデザインにして切り取ったり、本屋であれば本をデザインしたりなど、さまざまな工夫が考えられるでしょう。通常の郵便物に混じって型抜き圧着DMが届けば、受け取った方へのインパクトは大きくなります。SNSで拡散してもらえる可能性もあるでしょう。
ポップアップ圧着DMの形状とデザイン
ポップアップ圧着DMの形状は、開封したときにまるで飛び出す絵本のようになる仕掛けがされていることが特徴です。たとえば、誕生日にあわせて送るDMであれば、誕生日ケーキと限定クーポンを飛び出させるなどの工夫ができます。
内容を確認するだけではなく驚きを感じるような体験になるため、印象的なDMにできるでしょう。
圧着はがきの郵便料金
最後に、圧着はがきの郵便料金についてもチェックしていきましょう。
郵便局の割引利用でコスト削減も可能
圧着はがきや圧着封筒は、郵便局の割引を適用可能です。郵便局の割引には「広告郵便物」や「区分郵便物」「バーコード付郵便物」などに適用できるものがあります。支払い方法や送る枚数、表記などに規定があるため、チェックしておくといいでしょう。
“ふち糊圧着はがき”は第一種郵便物扱い
ふち糊圧着はがきの場合には、サイズなどがはがきの規定にあっていたとしても、第二種郵便物のはがきとしては扱われません。郵便法では、圧着はがきの圧着面は全面を圧着するように規定されています。
そのため、ふちだけを糊で圧着させた“ふち糊圧着はがき”は、第一種郵便物として扱われることに注意しましょう。
はがき本体の「郵便はがき(POSTCARD)」表記について
圧着はがきを第二種郵便物として送るためには、「郵便はがき」や「POSTCARD」という表記が必要です。圧着はがきの場合には面積の最も大きい面をはがき本体として、面積の小さな面は添付物として扱われます。そのため、面積の最も大きい面に「郵便はがき」もしくは「POSTCARD」と表記しましょう。
上の面が短くなっている「ずらし加工」がされた圧着はがきの場合は、本体として扱われるのは下の面です。ずらされて下の面が少しだけ見えるようになっている部分に、「郵便はがき」や「POSTCARD」と表記しましょう。
第二種郵便物として送れる圧着はがきの種類
第二種郵便物として送れるはがきは、通常はがきであれば14~15.4×9~10.7㎝のもので、重さは2~6gまでです。往復はがきであれば、折りたたんだ状態の大きさは変わらず、重さは4~12gまでのものが第二種郵便物として送れます。
そのほかにも、「郵便はがき(POST CARD)」表記がされているかどうか、圧着されている面は容易にはがれないかどうかなどの規定があるため注意が必要です。規定から外れた場合には、第一種郵便物(定形郵便物や定形外郵便物)として扱われます。
圧着はがきの利用について
本編では圧着はがきの基礎知識、メリット、種類を紹介してまいりましたが、圧着はがきが他のはがきや封書より優れているという訳ではありません。自社の訴求したいサービスや商品、訴求したいターゲットに合わせた形状を選択することが重要です。
時には不必要な情報を削ぎ、必要な情報のみを記載したA4はがきで送付すると効果が高い場合もございます。完全なDM施策を実施することは中々難しいですが、きちんと戦略を立てDM施策を実施することが大切です。
圧着はがきなどを使ったDMの印刷・発送には、FAXやDMを送るSaaSツールを提供しているネクスウェイの「NEXLINKオンデマンド便サービス」がおすすめです。NEXLINKオンデマンド便サービスは、サービスの種類や封筒を選択し宛先リストなどをWeb上にアップロードするだけで、PCの操作のみで簡単に全国へ発送手続きができます。顧客のデータベースとAPI連携すれば、さらなる業務効率化が可能です。
ネクスウェイならば30,000通まで当日発送できるため、すぐに周知して効果をあげたい場合にもぴったりです。1通当たりのコストも安く、気軽に利用できます。ぜひ導入を検討してみてください。
FAQ
Q. 圧着はがきってなに?
圧着はがきは、はがきの面同士を密着させて作成していて、一度剥がすと二度と貼り合わせることができないはがきのことです。公共料金の請求書など、個人情報に関する内容を記載する場合に用いられることが多いです。
また「隠ぺいはがき」と呼ばれることもあります。
Q. 圧着はがきのメリットは?
受取人のプライバシーを守り、情報を届けることができます。また、通常のはがきと郵送料金は変わらず印刷面は倍になるため、伝えられる情報が多くコストパフォーマンスに優れているといえます。
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