DM(ダイレクトメール)の効果を上げる3つのコツ!効果測定方法も解説
効果的な販促施策を行う場合、効果測定から分析を行い、そのプロモーションを改善していくことは非常に重要です。それは DM(ダイレクトメール)を販売促進として活用する場合も同様です。今回は事例からみたDMの効果測定の方法、効果をあげるための具体的な対策方法についてご紹介いたします。ぜひご参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.DM(ダイレクトメール)に効果はあるのか?
- 1.1.そもそもDMとは
- 1.2.知名度向上や商品の宣伝に効果的
- 1.3.DMの開封率と反応
- 2.DM実施前に確認する指標と測定方法
- 3.DM実施後に確認する指標と測定方法
- 4.DMの効果を高める3つのポイント
- 4.1.適切なターゲット選定
- 4.2.送付タイミング
- 4.3.訴求力の高いクリエイティブ
- 5.DMで効果を上げるための文章とデザイン
- 5.1.魅力的な文章の書き方
- 5.2.魅力的なデザインの作り方
- 5.3.DM制作実績のある会社に作成を依頼する
- 6.効果的なDMを施策に行うために
DM(ダイレクトメール)に効果はあるのか?
DM(ダイレクトメール)はマーケティング手法のひとつです。幅広い年齢層の個人やさまざまな業種の企業に対し、情報を届けることができます。DMを上手に活用することで、自社の知名度アップや売上向上につなげることが可能です。
ここでは、そもそもDMとは何かを説明するとともに、開封率や反応についても解説します。
そもそもDMとは
DMとは企業が既存顧客や見込み客となる個人や法人に対し行う、自社商品・サービスの宣伝手法をいいます。DMは商品の購入やセミナーの周知、新規顧客の開拓等を目的とします。はがきやカタログの発送、チラシ、FAX、Eメール等をターゲットとなるリストに送付します。なお、Twitter、InstagramなどのSNSでメッセージを送る機能のことをDMと呼びますが、こちらのDMはダイレクトメッセージで、ダイレクトメールとは異なります。
知名度向上や商品の宣伝に効果的
DMは知名度の向上や商品・サービスの宣伝に効果的です。新規顧客の開拓や、既存顧客との接触を増やしてリピートにつなげるといった効果が期待できます。
紙のDMはメルマガやメールといったオンラインの広告よりも開封率が高く、記憶にも残りやすいとされています。ターゲットに合わせて伝える情報を選べ、素材やデザインを工夫してインパクトを高められるのもメリットです。
DMの開封率と反応
DMの開封率と反応(アクション)は宛先や送付する媒体によりちがいます。
① 自分宛て、家族宛てを含めたDMの開封、閲読率は66.0%となります。
② 自分宛てのDMの開封、閲読率は79.4%となります。
→自分宛てDMを受け取った後で行動(アクション)を取る確率は24.0%となります。
1.商品を購入、サービスを利用した人は2.8%
2.商品やサービスに関する資料を請求した人は2.1%
3.商品やサービスに関する問い合わせをした人は1.4%
4.商品やサービスに関してネットで調べた人は8.7%
5.商品やサービスに関して家族や友人等との話題にした人は4.3%
また電子メールよりも、発送するDM(紙媒体)のほうが開封率は高い傾向にあります。
電子メールの開封率は、米Constant Contact社の調査によれば、業種ごとに差があり10.80%~29.12%となりました。電子メールが紙媒体に比べて開封率が低い理由としては、以下のような理由が考えられます。
1.電子メールの場合、広告を拒否する受信設定にできる場合が多いため
2.電子メールはコストが掛からないため、紙のDMよりも大量に送信されやすく、他のメールに埋もれてしまいやすいため
【出典】「Average Industry Rates for Email as of March 2019」(Constant Contact)
【出典】一般社団法人 日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2018」https://www.jdma.or.jp/upload/research/20-2019-000013.pdf
関連記事:DMの開封率はどのくらい?目安のデータと開封率を上げるポイント
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DM実施前に確認する指標と測定方法
DMを実施する前に確認するべき項目は、主に3つあります。
コストの合計
まずは大原則ですが、実施するDMにかかるコスト(広告費)を算出しましょう。工程が多くさまざまな費用がかかるため、漏れのないように算出してください。
コストの合計はDMにかかったものすべてであり、主に以下のような費用です。
- 制作費
- 撮影費
- 印刷費
- 発送作業費
- 郵送費
DMにかかるコストは形状や同封物、発送数、発送方法などで変わります。依頼する業者によっても価格は異なり、自社で行う場合も封入・封緘作業のために人件費が必要です。
自社ですべて行えば安く済むように見えることがありますが、人件費を考慮したら実は膨大な費用がかかっている場合がほとんどです。そのため、制作から発送までワンストップで行うサービスを選ぶと安く抑えられる傾向にあります。
BEP
BEPとは「Break Even Point」の略で、損益分岐点とも呼びます。DMのコストを回収するために最低限必要な受注件数のことを指します。
BEPは、以下の計算式で求めます。
BEP(件数)=コストの合計 ÷ 粗利単価(件)
コストの合計が300万円で、粗利単価が6,000円の商品を販売する場合を例にみてみましょう。
これらの数字をBEPの計算式にあてはめると「300万円 ÷6,000円=500件」となります。 DMを受け取った顧客から500件の受注があれば、最低限のコストを回収できるということです。
LTV
LTVとは「Life Time Value」の略で、顧客生涯価値とも呼びます。特定の顧客が生涯もしくは一定期間の間に生み出す利益の総額のことです。初回の発注額は低くても年間の取引額が高い場合も往々としてあります。そのため、費用対効果を計測する場合は1回の発注額ではなく、LTVで見ることが必要です。
「生涯」という長期間での判断は難しいため、一般的には数ヵ月・年単位ごとに算出します。複数の商品を取り扱う場合は、商品ごとのLTVを求めることが必要です。
新規顧客の獲得には顧客との接点を作って購入・利用してもらうまでのプロセスが必要であり、既存顧客の維持に比べて多くのコストがかかります。そのため、いかに既存顧客と良好な関係を築くかが売上の向上・維持につながります。
これまで以上に既存顧客を大切にするという意味でも、LTVは重要な指標といえるでしょう。
LTVを求める計算式は、以下のとおりです。
顧客の年間取引額 × 収益率 × 1顧客の継続年数(円)
顧客1人あたりの平均購入単価 × 平均購入回数(円)
(売上高-原価)÷ 購入者数でも算出できます。
LTVを算出することで、顧客獲得単価の上限を決めることができます。
DM実施後に確認する指標と測定方法
DM施策を始めてから確認すべき項目は、主に3つあります。
反応率
反応率(レスポンス率)とは、送付した総DM数に対してどれくらいのレスポンスがあったかを表す指標です。
DMでいうレスポンスとは主に資料請求や問い合わせなど目的によって異なるため、何をレスポンスとするかを事前に設定することが重要です。基本的に、成約とは区別して設定します。
レスポンスに該当するアクションとして、以下の例があげられます。
- 資料請求
- 問い合わせ
- メルマガ登録
- 来店
- 見積もり依頼
- アンケート回答
- サンプルやお試し商品の注文
反応率の求め方は、以下のとおりです。
レスポンス件数 ÷ DM発送件数 × 100(%)
例えば、20万通のDMを発送して1万件のレスポンスがあった場合、
1万件÷20万通=5%
となり、反応率は5%です。
反応率は個々のDMの効果を比較できるほか、過去の商品購入歴、リピート購入転換実績の情報を記録しておけば売上の予測もできます。
関連記事:DMの反応率とは?計算方法や効果測定、数値改善のポイントまで
CPR
CPRとは「Cost Per Response」の略で、反応(レスポンス)1件あたりの見込み顧客獲得単価のことを指します。つまり、1件のレスポンスを得るために費やしたコストであり、CPRが低いほど費用対効果が高いということです。
求める計算式は以下のとおりです。
コストの合計÷ レスポンス件数(円)
コストの合計が300万円で、1,000件のレスポンスがあった場合のCPRを求めてみましょう。
300万円÷ 1,000件=3,000円
となり、レスポンス1件あたりに費やしたコストは3,000円です。
CPO
CPOとは「Cost Per Order」の略で、受注1件あたりの顧客獲得単価のことを指します。初回の購入のみをカウントし、2回目以降の購入は含まず計算するのが一般的です。
以下の計算式で求めます。
コストの合計÷ 受注件数(円)
CPOが低いほど、DM施策は成功ということになります。
例えば、コストの合計が300万円で受注件数が200件の場合のCPOは以下のように求められます。
300万円÷ 200件=1,500円
受注1件あたりの顧客獲得単価は1,500円です。
初回だけで利益を出すのはなかなか難しく、価格の低い商品はCPOが商品単価より高くなるケースもあります。そのような場合でも、その後のリピート促進や客単価の向上を図ることにより、利益を出すことは可能です。
DMの効果を高める3つのポイント
DMの効果を高めるには、以下のポイントを押さえることが大切です。
- ターゲットの設定
- 送るタイミングを検討する
- 訴求力の高いデザインを考える
ターゲットが明確でないと、DMの効果は期待できません。また、DMには送るタイミングがあり、適切な時期を見極める必要があります。訴求力の高いクリエイティブにすることも、開封率を高めるために大切なポイントです。
それぞれのポイントをみていきましょう。
適切なターゲット選定
DMではターゲットの選定が重要です。誰に、どのような目的でDMを送るのかを明確にしましょう。選定を間違えてしまうと訴求効果が薄れるため、慎重に行わなければなりません。
性別や年齢層、住んでいる地域などの属性を細かく設定します。新規顧客か既存顧客なのかの区別も明確にしましょう。
既存顧客であれば購入履歴も検討し、過去に似たような商品を購入している顧客にターゲットを定めるなど、戦略的な視点で選定する方法もあります。
ターゲットを詳細に絞り込んだら、DMの内容を考えましょう。DMに興味を持ってもらうためには、ターゲットの悩みに寄り添うことが大切です。ただ商品・サービスを紹介するのではなく、ターゲットの悩みを自社の承認・サービスがどのように解決できるのかを提示します。
またターゲットにより、響くキャッチコピーやデザイン、興味を惹く特典の内容は異なります。ターゲットに合わせたDMの作成が、DM成功を左右するポイントです。
送付タイミング
DMの効果を高めるには、ターゲットが興味を持つタイミングで送ることも重要です。ちょうどその商品・サービスを必要とするタイミングでDMが届けば、興味を持ってもらう可能性が高いでしょう。
一般的に、1年を通してDMの反響が高い時期とされるのが1月・4月・9月です。多くの人・企業が新生活や新しい取り組みをスタートする時期であり、消費への意欲が高まりやすくなります。7月や12月のボーナス前、母の日やクリスマスといった記念日・イベントの時期も購買意欲が高まる傾向にあります。
また、定期的に通う美容院などの店舗や消耗品の販売などは、顧客の利用周期を予測して送ると効果的です。
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訴求力の高いクリエイティブ
DMの効果を高めるには、インパクトのあるクリエイティブも大切なポイントです。ありふれたデザインでは多くの郵便物の中で埋もれてしまい、開封してもらえない可能性があります。
クリエイティブの形式を自由に選べるのは、DMならではのメリットです。基本はハガキや封書ですが、より詳しい情報を盛り込むために圧着ハガキでサイズを拡張する、あるいは封書にカタログを入れるといった工夫ができます。
また、商品サンプルの同封やクーポンなどの特典封入も、DMだからこそできることです。
視覚的に伝えたい内容を訴求し、顧客が思わず開封したくなるようなデザインにすることもできます。
ただし、こだわりすぎると通常よりもコストがかかるため、費用対効果を考えながらデザインを決めましょう。
DMで効果を上げるための文章とデザイン
DMで効果を挙げるためには感覚に頼らない、ロジックに基づくデザインとセールスコピーライティングをベースとした文章が重要となります。
魅力的な文章の書き方
① キャッチコピー
宣伝したい商材やターゲットにより切り口を使い分ける。重要なことはDMを受け取る
相手(相手のメリット)のことを意識することです。またついつい情報量は多くなりがちですので、端的に伝えることを心掛けましょう。
中小規模スーパー向け経理システムを訴求したい場合
悪い例(✕)
万全のバックアップ体制と最先端の技術で店舗の経理業務を効率化します!
→
良い例(◎)
毎日の帳簿に関する作業を自動化!店舗の財務状況も毎日しっかり把握できる
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➁挨拶文
挨拶分では単なる挨拶だけでなく、同意や気づきを与えることが重要です。
自社商品やサービスを使いたくなるような導入を心がけましょう。
例)「今年は〇連休!レジャープランのご予約はお済みですか?」
「新商品入荷!夏のお中元ギフトカタログ」 など
上記のように誕生日、クリスマスなど、特別感や季節感、サプライズ感を演出する
➂ボディコピー(本文)
ターゲットに対してストーリー設計を行い、信頼を得ることが重要です。
読み手に親しみのある言葉を使い、シンプルかつ具体的に書きましょう。またDMを「ご覧いただいているあなただけ」というパーソナル感を出すことも効果的です。
例)「このDMをご覧のお客様には初期費用0円で提供します。」
「〇月生まれのあなたへ、バースデーポイントプレゼント」
魅力的なデザインの作り方
デザインを設計する際は開封したいという期待の感情を呼び起こすことを意識しましょう。
ターゲットの嗜好性に合う色味やデザインの封筒を使用することや、捨てたくないという気持ちにさせる為にインパクトのあるデザイン、レイアウトの採用や魅力的な写真やイラストの使用、インターネットに誘導するためのQRコードの付与、訴求したい内容にメリハリをつけて掲載することも効果的です。
また予算が許すのであればサンプルやノベルティ、クーポンなどの特典(オファー)を同封することも非常に有効的です。
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DM制作実績のある会社に作成を依頼する
DMを制作にあたり重要なことを記載してまいりましたが、初めてDMを実施する場合、なかなか効果的な原稿を制作するのは難しいかと思います。その際は自社だけではなく、専門で作成している会社に依頼しましょう。
DMを専門としている会社に依頼するメリットとして専門会社には知見があります。
魅力あるキャッチコピーやデザインは一朝一夕で身につくものではありません。またレスポンス率の高いDM作成には、細かいABテストで勝ちパターンを探し出す作業が必要となります。
ネクスウェイならDMの制作から印刷・発送まで一括してご依頼いただけます。また、専任のプランナーがターゲット選定から原稿制作までお客様のマーケティング施策をより効果的にするための提案を行います。
またDM発送までを作業ごとに分けて個々の会社に依頼するよりも、期間やコストを圧縮できる可能性が高いです。
効果的なDMを施策に行うために
効果的な施策かどうかを判断する為に必要な指標と効果的なDMを施策にする為にクリエイティブ(原稿制作)について記載してまいりましたが、クリエイティブ以外にも戦略的にセグメントをするターゲットリスト、またタイミングも非常に重要な要素となります。
DM施策に課題を感じていたり、これから始められる方は是非ともネクスウェイに一度、ご相談ください。